クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「あ……あのっ、こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」

私がペコリと頭を下げると、織田さんは慣れた仕草で私の肩に手をかけた。

「さあ、杏ちゃん、こっちだよ」

“杏ちゃん”って……。呼び名はそれに決定ですか?

そう突っ込みたかったけど、織田さんに優しい笑顔を向けられ私は言葉を飲み込んだ。

一緒に行ってくれるのは心強い。

織田さんに連れられ近くのエレベーターに乗り六階で降りる。

「ここ六階が知能システム開発部のフロアだよ」

織田さんの説明に私はフロアを見渡した。

流線形の真っ白な壁に明るくておしゃれな照明。

「ここが……」

研究所ってもっと暗くて冷たいイメージだったけど、美術館みたいな感じだな。温かみを感じる空間。

右手に数十メートル歩くとガラス張りの扉があって、織田さんは扉の右横にあるセンサーに顔を近づけた。

すると、扉がガラッと開く。
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