クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「食べないといつまで経っても俺の家にいることになるよ。自分の家に帰りたければ食べるんだね」

グサッとフォークでリンゴを刺すと、永遠はそれを私の口に運ぶ。

「……自分で食べれるから」

囁くような小さい声で言って、永遠の手からフォークを受け取って口に運ぶ。

瑞々しくて甘いリンゴ。

「……美味しい」

食欲なんて全くなかったはずなのに、何故かそのリンゴは美味しく感じた。

「それは良かった」

優しい笑みを浮かべ、永遠が私の横にドサッと腰かける。

「……私のことはいいから永遠は着替えてきたら?」

私がそう声をかけると、永遠は頭を振った。

「ひとりじゃ杏は食べないよ。だから、食べ終わるまでここにいる」
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