cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
嫌々ながらも何とか起き上がり、洗面台へ向かう。
顔を洗い、歯を磨いても全然スッキリしない。
あーあ…
昨日の一件をリセット出来たらいいのに。
どんな顔でミサキちゃんに会えばいいんだろう。
「心、腹減った。メシ!」
「…そのへんのパンでも食べて」
こっちはそれどころじゃないんだよ。
お兄ちゃんはちょっと不機嫌になりつつも、私の淀み具合を察したのか、黙ってパンの袋に手を伸ばした。
一旦部屋に戻りスローなペースで着替えを済ませ、化粧を始める。
「…いつも以上に塗り絵になってんぞ。」
スナックパンをかじりながら、呆れ顔を浮かべているお兄ちゃん。
その言葉に鏡をじっくり見ると、確かにいつもより濃い。
おまけにSPF50++の日焼け止めが、変に白くて顔だけが浮いている状態。
‐‐‐ピンポーン!
そしてこのタイミング。