cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
ちょっと!
今はさっきの奴にムカつく所で、ドキドキする所じゃないわよ!?
「大丈夫?何もされなかった?」
ミサキちゃんが心配そうに、顔を覗きこんでくる。
やっぱり知らない男の人(しかもイケメン)みたいで、落ち着かない。
緊張のあまり声が出せなくて、黙って頷いた。
「それにしても間一髪だったわねーさっきの彼も!
もうちょっとでアンタの金蹴りが炸裂するとこだったわ!」
あははっと、面白そうに笑うミサキちゃん。
口調も元に戻ってるのに、何で私の心臓は戻らないんだろう。
「ちょっと歩かない?」
黙り込む私を見かねたように、ミサキちゃんが提案する。
怖かったのだろうと、心配してくれてるんだ。
でも本当は見とれているだけ。
さっきからミサキちゃんが、キラキラして見えるから。