cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
「どうゆう事?」
そう呟いたのは、私じゃなかった。
ハッとして振り向くと、そこには千草ちゃんが立っていた。
「アンナちゃんって誰?」
私もまだ混乱している頭で、どう説明していいかわからなかった。
「知らなかった…ミサキ、好きな人いたんだね。」
ぼんやりと呟やく彼女の目には、涙は無かった。
なんでだろう。
胸が痛いよ。
「…ココロ?」
千草ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。
そして呟いた。
「…ココロも、ミサキの事好きなんだね。」
好き?
私がミサキちゃんを…?
「だって…泣いてるよ?」
ぽとぽとと頬を伝って、かき氷のカップへと落ちていく液体。
何で涙が出るのかは自分でもわからない。
でもこれが汗とか、海水なんて言い訳がきかない事はわかる。
私は確かに泣いていた。