cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】


千草ちゃんに手を引かれて、浜辺を歩いた。


千草ちゃんの手は、ひんやりと冷たくて


私に次第に、冷静さを取り戻させてくれた。


『ココロもミサキの事好きなんだね?』


そうか…


私好きなんだ、ミサキちゃんの事。


いつから?

ミサキちゃんがいきなり男の人に見えたから?


…ううん。


ミサキちゃんは変わらない。


昔から優しいミサキちゃんのまんまだよ。


それなのに、見た目で判断して本当のミサキちゃんを見ようとしなかった。


『ミサキ君は…今のまんまで十分かっこ良いよ。』


凛とした杏奈さんの言葉。


彼女がそう言ったのは、いつだっただろう。


私がいつものようにミサキちゃんの悪口を言うと、杏奈さんは苦笑してそう言ったんだ。


その意味をその時は深く考えなかったけど、もしかしたら杏奈さんもミサキちゃんを好きだったのかもしれない。


そうじゃなくても、私なんかよりはずっとミサキちゃんを見ていたんだ。


そう思うとまた涙が出た。





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