cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
程なくして、みんなと大分離れた所に位置する木陰にやってきた。
無言の了解で2人ともそこに座った。
「あーあ…いきなりライバルが2人も出来ちゃった。」
冗談まじりに千草ちゃんが言うなり、笑った。
「それにしても、せっかく日本に来たのに失恋よー?サイテー」
「私だって…」
「ん?」
「私だって、好きだって気付いた途端に失恋よ?
サイテー過ぎる…」
やるせなくて声を上げて泣く。
こぼれ落ちる涙は相変わらず、握り締めたカップに落ちていく。
かき氷がすっかり溶けて、ブルーの液体が溜まっている。
涙がその色を薄めていった。
「泣かないでよ…
ヒック…私も泣きたくなるじゃん…ック!」
そして2人で泣いた。
しかも子どもの泣き方。
わんわん、わんわん…
どこからどう見ても、面倒くさい女達。
ナンパ野郎も近づきやしない。