cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
【第三章】
一進一退
ミサキちゃんが好きだって気付いて1週間。
これといった進展もなく、バイトに明け暮れた毎日が過ぎている。
「お疲れさまでーす!」
今日も1日ピザを作りまくり。
あー!
早くお風呂入りたい!
「心ちゃん」
自転車を漕いでいると、駅前で声をかけられた。
「…杏奈さん」
涼しげなシフォン生地のワンピースがよく似合っている。
「バイト帰り?お疲れさま〜!」
「杏奈ーだぁれ?この子」
杏奈さんの隣の女の子が声を上げた。
この人、バービー人形みたい。
黒のラインに囲まれた目元が何だか印象的。
「もぉー失礼でしょ。藍子!
ごめんねーこの子、いい意味でいえば社交的なの。」
同い年なのかなーこの二人。
杏奈さんがいつもより、お姉さんに見える。