cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】

その時、ポケットの中の携帯が震えた。

(送信者:紺野君)


久しぶりの紺野君からのメールだった。


(題名:暑中見舞い

本文:久しぶり!
毎日暑いけど元気にしてるか?

俺は相変わらず部活漬けの毎日や↓

まぁーそのおかげで予選は順調に勝ち進んでます。


心も頑張り過ぎんようにな。

あ、約束覚えといてや!)


紺野君…頑張ってるんだなぁ。


嬉しく思うと同時に、ずきんと胸が痛む。


『約束覚えといてや!』か…


何で、あんな軽くカケなんかしちゃったんだろう。


ミサキちゃんを好きだって気付いたのに、紺野君とデートなんか出来るのかな…。


もし…


万が一の可能性で、紺野君が私に好意を持ってくれてるんだとしたら…


失礼だよね、すっごく。



でも、今更断るのも…


頭の中でぐるぐる考えながら歩いていると、いつの間にか家に着いていた。


軽く溜息をついて、携帯をもう一度開く。


(送信先:紺野くん)


(題名:Re:暑中見舞い
本文:久しぶり!
私はバイト漬けの毎日(〇>_<)
今日もピザのにおいプンプンさせて、ようやく帰宅です↓

試合頑張ってね☆)


何とか文章を打ち、送信する。


はぁ…。


優勝したらカケがあるけど…負けてほしいとも思えない。


矛盾してるよ、私。





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