cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】


ずるいな、私ばっかり好きなんだもん。


「ミサキちゃんだって…教えてくれないじゃん。」


思わずぽつりと呟いた。



ミサキちゃんは少し困った顔。


「ちょっと謎めいてる方が魅力的なのよ、女は。」


「あんた男じゃん…」


あぁ…いつもの感じ。


何だかなー、イマイチ盛り上がんないんだよね。


幼なじみだしなー今更…


「あ、何これー美味しそうじゃない!」


振り向くと、またしてもミサキちゃんが急接近。


「ちょ…っ!」


「ん?」


慌てて離れようとした、その時…


「わっ…!」


足がキッチンカーペットの縁に引っ掛かって、滑った。


こける…!


ガバッ!



あれ、無事だ…


思いっきり瞑った目を開く。


「わわわっ!?」


何、このベタな展開は!?


これって…まさにミサキちゃんに抱きついてる状態じゃん!






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