cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
「お前焼けたなー、いっちょまえに海でも行ったんか?」


「まぁね」


「ふーん。
ひと夏の恋とかねーの?」


「…あっても先生には言いません。」


教師なのかな、本当に。


「ふっ、そーゆうとこソックリだな、ほんと。」


「は?何が?」


1人でおかしそうにしている先生についていけない。


「いや実はさ、似てるんだよお前。昔の教え子に。」


「ふーん?」


そう言われてもピンとこない。


よくあるじゃん、『私の友達に似てる!』って言われる事。


あれと同じ感覚。


そう言われても、『そうなんだー』としか思えないっつうの!


「そいつもさ、今みたいに恋愛ネタふっても黙秘すんだよなー」


不満そうな先生が、まるで幼い子どもみたいでおかしい。


「ふーん…あ、先生もしかしてその人の事好きだったりしてー?」


さっきの仕返しで、からかってやる。


「や、あり得ねーなー、それは」


ありゃ、即答。


「んな事だったら、俺アイツに消されてるな」


「は?」


「…いや、こっちの話。」


だから、ついていけないってば!


「まぁとにかく、何か悩みがあったらいつでも言えよ」



「はぁ…」


じゃーな、と去っていく先生。


何だったんだ…







< 148 / 214 >

この作品をシェア

pagetop