cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
「あっ心、おはよー!」
ソファーでみんなからの誕生日メールに返信していると、千草ちゃんが起きてきた。
「Happy birthday,Kokoro☆」
と、笑顔で飛び込んできた彼女にハグされた。
「ありがとう。」
「また1つお姉さんだね。」
ふわりと笑った千草ちゃんは、相変わらず大人っぽくて少し恥ずかしくなる。
「私も少しは大人っぽくならなきゃね。」
苦笑すると、千草ちゃんが首を横にふった。
「ココロはそのままで十分だよ。」
「ありがとう。」
「あのねっ!ココロ、昨日の事なんだけど…」
「あっ!
ご飯作らなきゃ!
千草ちゃん卵何にする?」
「え、あ…じゃあ目玉焼き」
「オッケー!」
笑顔をはりつけて、台所へ向かう。
昨日の事はあまり思い出したくない。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
昨日、紺野君に送ってもらい家に着いたのは10時過ぎ。
私の帰りを待っててくれた千草ちゃんが、心配そうに迎えてくれた。
「ココロっ!
…お帰り。
あのね、ココロの帰りが遅いからミサキが…」
「ただいま、千草ちゃん。
ちょっと疲れたから、もう寝るね。おやすみ。」
とその時も、無理やり話を切り上げた。
「…おやすみ」
そう微笑んでくれた千草ちゃんの方が、私よりもずっと大人だった。