cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
ミサキちゃんは朝食の席に姿を見せなかった。
朝に弱いお兄ちゃんはいつもの事だけど、早起きのミサキちゃんには珍しい事だった。
「ココロ、今日の花火大会2人で一緒に行こうよ。」
一緒に食器を洗ってる時に千草ちゃんが、こう切り出した。
気を遣ってるんだろう、ミサキちゃんの名前は出さずに誘ってくれた。
「あ、わたし紺野君と行く事にしたんだ。
千草ちゃんはミサキちゃんと行ってきなよ。」
「そっか、わかった。
そうするね。」
それ以上、何も聞こうとはせずに話題を切り替えてくれる。
本当に素敵な子だ。
だけど最後に一言だけ言った。
「昨日ねミサキ、ココロを探しに行ったんだよ。
ココロが帰ってきたから電話したんだけど、帰ってきたのは0時近くだった。」
「そう…」
「…昨日の今日だし、ミサキの事まだ許せてないと思うけど、それだけは知っといてほしいなって思って。」
「…うん」
ミサキちゃんが私を探しに出たのは、罪悪感を感じたから?
それともいつもの過保護?
…やめた。
もう、どっちでもいい。