cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】


ミサキちゃんは朝食の席に姿を見せなかった。


朝に弱いお兄ちゃんはいつもの事だけど、早起きのミサキちゃんには珍しい事だった。


「ココロ、今日の花火大会2人で一緒に行こうよ。」

一緒に食器を洗ってる時に千草ちゃんが、こう切り出した。


気を遣ってるんだろう、ミサキちゃんの名前は出さずに誘ってくれた。


「あ、わたし紺野君と行く事にしたんだ。

千草ちゃんはミサキちゃんと行ってきなよ。」


「そっか、わかった。
そうするね。」


それ以上、何も聞こうとはせずに話題を切り替えてくれる。


本当に素敵な子だ。


だけど最後に一言だけ言った。


「昨日ねミサキ、ココロを探しに行ったんだよ。

ココロが帰ってきたから電話したんだけど、帰ってきたのは0時近くだった。」

「そう…」


「…昨日の今日だし、ミサキの事まだ許せてないと思うけど、それだけは知っといてほしいなって思って。」


「…うん」


ミサキちゃんが私を探しに出たのは、罪悪感を感じたから?


それともいつもの過保護?


…やめた。


もう、どっちでもいい。






< 191 / 214 >

この作品をシェア

pagetop