cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】


「せやな」


私が迷子になる姿を想像したのだろうか。


紺野君がくすっと笑った。

それが悔しくて言い返す。


「…紺野君がね」


「は?!
何でやねん!」


「もー、いいじゃん!
行こっ」


つないだ手をグイっと引っ張って、会場へと進む。


学校で顔見知りの面々が、驚いた表情で私たちを指差しているけど、何だかどうでも良いくらいに気分が高揚している。


まるで熱にでも浮かされているみたい。







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