cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
結局、それから家に着くまで、この複雑な感情をどう言葉にしたらいいか、わからないままだった。
考え過ぎて、熱がまた上がってきたような気がする。
「ほんなら、ゆっくり休むねんで。
明日はバイトも休みぃ」
「…うん。」
「よっしゃ、いい返事!」
まるで子供にするみたいに、私の頭を優しく撫でる。
「…さっきの話。
治ってからでいいから、考えといてな。」
ズルい。
熱が下がるまで、忘れとける訳ないじゃん。
「…あと、」
ジーンズのポケットから、小さな包みを出した。
無意識に、差し出されたそれを受け取る。
少しだけしわになってるけど、そこには可愛いリボンが付いている。
「誕生日、おめでとう」
私のバカ。
何で、自分の誕生日に誘ったりするのよ。
嬉しさと、自己嫌悪が心の中を半分ずつ満たす。
「…ありがとう。
開けていい?」
「うん」
包みを開けてみると、ハートの可愛いピアス。
「うわぁ…、可愛い!」
思わず顔が緩む。