cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
「からかってへんよ」


ふわりと笑む表情がこれまた魅力的で憎い。


「そう…ありがと」


まだ信じてはいないけど、ムキになっても仕方ないので社交辞令として流す事にした。


「あ、信じてへんやろ」


少し不服そうな表情を浮かべてみると、少し幼さの面影がみえる。


きっと小さい頃から可愛いかったんだろうなぁ。


不意に出会った頃のミサキちゃんが思い浮かんだ。


優しくて天使みたいに愛らしい外見から、町のみんなのアイドルだった。

そして何故か今でもみんなの人気者。


みんなヤツが魔性男だって事、知らないのよ!


しかも天然だからタチが悪い。


「…なぁ、聞いてる?」


「え!?」


うっかり意識が飛んでしまっていた。

「へこむわー、一緒におっておもんない思われるんが一番嫌や」


「ご、ごめん!おもしろくない訳じゃなくて、ちょっと考え事してて…」


「…清水ってヤツの事?」

「え、ちが…」


「忘れぇや」


あ、ヤバい。
また引き込まれる。


頭の中で警告音が聞こえる。


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