cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】
紺野君が転校してきた日から1週間が経った。


あれから紺野君は私の事を名前で呼ぶようになり、翌日から入部したバスケ部が休みの日には一緒に帰ろうと誘う。


『俺をきっかけにしたらいいやん』


屋上での言葉を思い出す。


本気なんだろうか…


いやいや、まさかね。


きっと私を励まそうと思ってね、言ってくれたんだよ。


紺野君、優しいから。


でもその優しさは少し残酷だ。


アユミの情報によると、転校初日から『千明ファンクラブ』なるものが出来たらしい。


そしてその会員はこのクラスにもいる訳で、私はさっきから彼女達に睨まれっぱなし。


まぁそうゆうのは慣れてるから今さら気にしないけど、

紺野君はもう少し自分の人気を自覚して行動した方がいいと思うな。


じゃないと、その優しさで彼女達が傷つく。


そしてその事を知ったら、紺野君が傷つく。


それが嫌だった。






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