cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】

「ミサキ!」

「げ、ヤバイよ!
そういえばこの子、ミサキの幼なじみ…」


ふんだ。

あんた達なんかミサキちゃんに叱ってもらうんだから。

ミサキちゃんが私に気付くと、目をぱちくりさせて、野次馬達の輪を割って入ってきた。


「何、どうしたの心!?」



私が黙っていると、目線が下に向けられた。


「そ、それ…」

明日香が口を開いた。

「私、…がぶつかっちゃって…そしたら心ちゃんが怒って…」


動揺してか、声を詰まらせるが、それが却って何だかリアルだ。


「明日香、それ…」


ミサキちゃんが、明日香の頬を見つめる。


覆われた右手の隙間から、わずかに肌が赤くなっているのが見える。


ハッとしたように、こっちを見るミサキちゃん。


その目に戸惑いの色がみえる。



何それ




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