cherish【チェリッシュ〜恋のライバルは男!?〜】


私の問いかけに反応して、千草ちゃんが何かを思い出したように、唇を噛んだ。

「きのうは私なりにsexyなカッコしてたんだよ?

なのに、ミサキってば…目を覚まして一言。

『あら、部屋間違えた?』って…

顔色ひとつ変えないの!!」


何か…想像出来るなぁ、そのやりとり。



「その時は、『そんなに私に興味無いんだ…』
って凹んで部屋に帰ったんだけど…

普段のミサキの雰囲気から、もしかして…って思ったの。」



心なしか涙目になった千草ちゃんを見て、胸がきゅんとした。


その気持ちは痛いくらい分かる。


否定してあげたいんだけど、こればっかりはなぁ…


嘘もつけないし。


「ゲイなのかは、よくわかんないんだけど…

ミサキちゃんじゃなくても、千草ちゃんならすぐ彼氏出来るんじゃない?」


そうそう。


自分で言って納得。


何もそんな思いしてまで、ミサキちゃんを好きでいなくても…


「ダメ!」


千草ちゃんが声を上げた。


< 97 / 214 >

この作品をシェア

pagetop