◆Woman blues◆
私は、さっきまでの笑顔を消して真剣な眼差しを向ける麻美を見つめた。
「あんたはいつも凄く頑張ってるもの。仕事に手は抜かないし、肌の手入れだって体のケアだって若い女の子に負けないようにって、いつも頑張ってた。
人として、女としての努力を怠らないから、彼はあんたに惚れたんだよ。見た目も中身も、あんたは磨く事を忘れてないから。ずっと輝いてるから」
ああ、私の親友は、私をそんな風に見ていてくれていたんだ。
涙が出そうになって、私は麻美にペコリと頭を下げた。
「ありがと、麻美」
「行くわよ!」
驚いて私は麻美を見た。
「でも、今来たとこ……」
私は静かにブルースの流れるバー《alexandrite》の店内を見回した。
淡いブルーのライトが店内を美しく彩り、静かだけれどしっかりとブルースが耳に届く空間。
かつてはよく秋人と来ていたそこに、私は麻美を招待したのだ。
「もう、ブルースは終わりよ」
「え?」
「だから、ブルースはもういいの。来たわよ、王子」
「へ?」
麻美が店の入り口に眼をやり、つられて私もそちらを向いた。
「……太一……」
太一は確か今晩は、打ち合わせだって……。
「じゃ、私は先に行くわ」
「あんたはいつも凄く頑張ってるもの。仕事に手は抜かないし、肌の手入れだって体のケアだって若い女の子に負けないようにって、いつも頑張ってた。
人として、女としての努力を怠らないから、彼はあんたに惚れたんだよ。見た目も中身も、あんたは磨く事を忘れてないから。ずっと輝いてるから」
ああ、私の親友は、私をそんな風に見ていてくれていたんだ。
涙が出そうになって、私は麻美にペコリと頭を下げた。
「ありがと、麻美」
「行くわよ!」
驚いて私は麻美を見た。
「でも、今来たとこ……」
私は静かにブルースの流れるバー《alexandrite》の店内を見回した。
淡いブルーのライトが店内を美しく彩り、静かだけれどしっかりとブルースが耳に届く空間。
かつてはよく秋人と来ていたそこに、私は麻美を招待したのだ。
「もう、ブルースは終わりよ」
「え?」
「だから、ブルースはもういいの。来たわよ、王子」
「へ?」
麻美が店の入り口に眼をやり、つられて私もそちらを向いた。
「……太一……」
太一は確か今晩は、打ち合わせだって……。
「じゃ、私は先に行くわ」