◆Woman blues◆
世間から、なんの価値もないと見放された気がする。
いやだ、そんなの怖い。
私はここにいる。
気が付いた時にはスマホをタップしていた。
『……夢?どうした』
「隆太、会いたい。今から会いたい」
涙声の私に隆太は一瞬沈黙したけど、直ぐに低い声でこう言った。
「俺ん家、来るか?」
「うん行く、待ってて」
流れる涙を手で拭い、私は手早くメイクをすると部屋着を脱ぎ捨てた。
分かってくれるのはきっと、隆太しかいない。
同期で気心が知れていて、婚約破棄された私と離婚した隆太。
何でだろう。
こんなに胸がはやるのは何故なんだろう。
早く独りじゃないと実感したいから?
めちゃくちゃに泣けるのはきっと、隆太の前だけだから?
これ以上、どす黒くて醜い感情を抱えたくないから?
服を着替えてスマホと鍵を手にすると、私は部屋を飛び出した。
「夢輝さん?」
マンションのエントランスでスラリとした人影が眼に飛び込む。
……太一だった。
フワリと私を見て微笑んでいた太一が、次第に真顔に変わる。
いやだ、そんなの怖い。
私はここにいる。
気が付いた時にはスマホをタップしていた。
『……夢?どうした』
「隆太、会いたい。今から会いたい」
涙声の私に隆太は一瞬沈黙したけど、直ぐに低い声でこう言った。
「俺ん家、来るか?」
「うん行く、待ってて」
流れる涙を手で拭い、私は手早くメイクをすると部屋着を脱ぎ捨てた。
分かってくれるのはきっと、隆太しかいない。
同期で気心が知れていて、婚約破棄された私と離婚した隆太。
何でだろう。
こんなに胸がはやるのは何故なんだろう。
早く独りじゃないと実感したいから?
めちゃくちゃに泣けるのはきっと、隆太の前だけだから?
これ以上、どす黒くて醜い感情を抱えたくないから?
服を着替えてスマホと鍵を手にすると、私は部屋を飛び出した。
「夢輝さん?」
マンションのエントランスでスラリとした人影が眼に飛び込む。
……太一だった。
フワリと私を見て微笑んでいた太一が、次第に真顔に変わる。