◆Woman blues◆
気になる人は
◆◆◆◆◆◆◆
「やるわね、あんた」
麻美はビールをゴクリと飲むと、私を見てニヤリと笑った。
いつもの居酒屋『れん』で、私の話を聞いた麻美はさも楽しいと言ったように私を見た。
「で、どうだった?!ワイルドな同僚、美味しかった?!」
「ちょっとっ!」
私は眉を寄せて抗議しようとしたものの、何と言っていいか分からずに、梁を剥き出しにしたデザインの天井を見上げた。
「まあね、そうよ。たまにはあるわよ、同僚とヤる場合も」
「ないでしょ普通は。私、最低」
麻美がフフッと笑った。
「傷ついたもの同士、分かり合える気がしたんでしょ。心のどこかで彼と恋愛出来るかもって期待したんでしょ」
図星だった。
「……うん……」
隆太の逞しい腕に抱かれた時、確かに私は思った。
隆太となら、恋愛出来るかもって。
でも、徐々に落ち着いていく心と身体を感じながら、私は罪の意識に苛まれた。
傷付いた者同士、痛みを共有したかっただけなんじゃないだろうか。
長く生きてきた分、多少なりとも恋をしてきた分、冷静になればこんな方法は良くないと分かる筈なのに、私は初めて味わう強い孤独感と、仕事の不本意な結果からくる焦燥感で、眼が霞んでいたのではないか。
隆太に対する罪悪感が、矢のように胸に刺さる。
そんな私を察してか、麻美がさりげなく言った。
「やるわね、あんた」
麻美はビールをゴクリと飲むと、私を見てニヤリと笑った。
いつもの居酒屋『れん』で、私の話を聞いた麻美はさも楽しいと言ったように私を見た。
「で、どうだった?!ワイルドな同僚、美味しかった?!」
「ちょっとっ!」
私は眉を寄せて抗議しようとしたものの、何と言っていいか分からずに、梁を剥き出しにしたデザインの天井を見上げた。
「まあね、そうよ。たまにはあるわよ、同僚とヤる場合も」
「ないでしょ普通は。私、最低」
麻美がフフッと笑った。
「傷ついたもの同士、分かり合える気がしたんでしょ。心のどこかで彼と恋愛出来るかもって期待したんでしょ」
図星だった。
「……うん……」
隆太の逞しい腕に抱かれた時、確かに私は思った。
隆太となら、恋愛出来るかもって。
でも、徐々に落ち着いていく心と身体を感じながら、私は罪の意識に苛まれた。
傷付いた者同士、痛みを共有したかっただけなんじゃないだろうか。
長く生きてきた分、多少なりとも恋をしてきた分、冷静になればこんな方法は良くないと分かる筈なのに、私は初めて味わう強い孤独感と、仕事の不本意な結果からくる焦燥感で、眼が霞んでいたのではないか。
隆太に対する罪悪感が、矢のように胸に刺さる。
そんな私を察してか、麻美がさりげなく言った。