◆Woman blues◆
「はい、決まり」
「え」
「だってまだ貸しがあるし」
貸しとは、マンションのエレベーターで秋人と鉢合わせたあの時の事だ。
あの時私をかばい、恋人のふりをしてくれたのがすごく嬉しかったっけ。
私は平静を装いながら、一瞬だけ太一を見てすぐに眼をそらした。
「じゃあ……なにか買いに行こう」
「はい。僕のお勧めのツマミがあるんです!ビールにもワインにも合いますよ」
太一はようやく私から離れたけど、私の胸はうるさいままで、何だか少し悔しかった。
「え」
「だってまだ貸しがあるし」
貸しとは、マンションのエレベーターで秋人と鉢合わせたあの時の事だ。
あの時私をかばい、恋人のふりをしてくれたのがすごく嬉しかったっけ。
私は平静を装いながら、一瞬だけ太一を見てすぐに眼をそらした。
「じゃあ……なにか買いに行こう」
「はい。僕のお勧めのツマミがあるんです!ビールにもワインにも合いますよ」
太一はようやく私から離れたけど、私の胸はうるさいままで、何だか少し悔しかった。