◆Woman blues◆
太一が少し悲しげに私を見下ろした。
「僕が軽い気持ちで告白したとでも言いたいんですか」
初めて見る太一の表情に、私はたじろいだ。
「だって太一なら、いくらでも若くて綺麗な女の子が」
「あなたの元婚約者と一緒にされたくない」
いつもは柔らかい太一の瞳が、険を含んでキラリと光った。
「夢輝さんが七歳上だろうが下だろうが、関係ありません」
正気なんだろうか。
「綺麗事言わないでよ。私はあなたより先に老いるのよ?いずれあなたは後悔する」
「あなたを選ばない方が後悔します」
これ以上どう言っていいか分からず、私は途方に暮れた。
太一はテーブルを回ると立ち尽くす私に近付き、優しく引き寄せた。
でもその顔に笑顔はない。
「本気です、僕は。あなたが好きだ」
「……待ってよ、私、恋人に若い女に乗り替えられて婚約破棄されたんだよ?とてもじゃないけど信用できない」
もしも今度捨てられたら、ほんとにもう立ち直れない。
「もう傷付きたくない」
私は太一を腕で押して避けると、スマホを掴んで部屋を飛び出そうとした。
私のその腕を、太一がガシッと掴んだ。
「傷なんか付けない。大切にしかしない」
『タイセツニシカシナイ』
「僕が軽い気持ちで告白したとでも言いたいんですか」
初めて見る太一の表情に、私はたじろいだ。
「だって太一なら、いくらでも若くて綺麗な女の子が」
「あなたの元婚約者と一緒にされたくない」
いつもは柔らかい太一の瞳が、険を含んでキラリと光った。
「夢輝さんが七歳上だろうが下だろうが、関係ありません」
正気なんだろうか。
「綺麗事言わないでよ。私はあなたより先に老いるのよ?いずれあなたは後悔する」
「あなたを選ばない方が後悔します」
これ以上どう言っていいか分からず、私は途方に暮れた。
太一はテーブルを回ると立ち尽くす私に近付き、優しく引き寄せた。
でもその顔に笑顔はない。
「本気です、僕は。あなたが好きだ」
「……待ってよ、私、恋人に若い女に乗り替えられて婚約破棄されたんだよ?とてもじゃないけど信用できない」
もしも今度捨てられたら、ほんとにもう立ち直れない。
「もう傷付きたくない」
私は太一を腕で押して避けると、スマホを掴んで部屋を飛び出そうとした。
私のその腕を、太一がガシッと掴んだ。
「傷なんか付けない。大切にしかしない」
『タイセツニシカシナイ』