◆Woman blues◆
◆◆◆◆◆◆◆

「本当に泊めてもらっていいの?」

「大歓迎です」

秋人に鍵は返してもらったものの、太一は私が自分の部屋で寝るのを断固として反対した。

「鍵を付け替えるまではダメです」

「近々不動産屋さんにお願いするよ」

「明日、電話してください。あなたがまた危ない目に遭うのなんて耐えられない」

「うん。ありがとう」

あの後、秋人は少し酔いが覚めたのか、自分のしたことを凄く後悔した様子だった。

何度も私に頭を下げる秋人は、もはや私が愛した彼とは大きくかけ離れていて、私はこれ以上彼を責める気になれなかった。

秋人も辛かったんだろうなと思って。

けれど、彼が私に言った言葉が深く胸に突き刺さったのは事実だ。


『 お前みたいなババア、誰が相手にするかよ』

『ババアでも、抱いてもらえるだけ有り難く思え』


なんとひどい言葉なんだろう。

私は自分に放たれた残酷な言葉に、思わず顔を覆った。
 
その時、

「夢輝さん」

太一が柔らかく私を呼んだ。

「何を言われたか知りませんが、気にすることはありません」

「……気にするよ、太一」
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