◆Woman blues◆
「……夢輝さん」

太一が私の脇に手を差し込んで抱き上げた。

両足を太一に絡め、二人で寝室のベッドへ倒れ込む。

バサッという音がした後、私達はベッドの中で見つめあった。

いっそこのままキスをして、服を脱がせてくれたら私も行為に夢中になれるのに、太一は私を見つめて優しく微笑むと、穏やかな声で囁いた。

「好きだよ、夢輝さん」

そう言って私の手をキュッと握る太一に、もう嬉しいやら照れ臭いやら、この後に待っている世界を想像するやらで、私の心臓は爆発しそうになった。

「は……恥ずかしい」

多分真っ赤な私の頬に太一はチュッとキスをして、

「じゃあ……毎日すれば早く慣れるかも」

「な、太一ったら」

「ははっ」

私は太一にすり寄ると、彼の唇にキスをした。

「太一、抱いて」

この時、世界で一番幸せな女は私だと思っていた。
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