ただただ君が好きでした

「マナト、またここにおったんか」

視界に入ってきたのは、俺の親友、怜次だった。

「ハナちゃん、めっちゃええ子やな」

「そうだろ」

「お前にはもったいないくらいええ子やけど、お前を救えるのはあの子しかおらん気するで俺は」

「うるせー、バカ」

誤魔化したけど、怜次の言葉は俺の心の中に染み込んでくる。

俺を救えるのはオハナ。

そう、それは俺が一番わかってるよ。

救いたいくせに、救ってもらってるんだ。



「ちょっと話してもーた。マナトの過去」

「そんなことだろうと思った」

「ごめんな」

「いいよ。どうせ噂で知ってるし」

「目にいっぱい涙ためて聞いとったで。マナ先輩、かわいそう。どうしてそんなことばっかりって。なんかさ、もうハナちゃん見てたらもうここに連れて来たろかと思った」

「怜次ならやりかねない」


「もしかして、それ期待してたんちゃうんか？ほんまのとこ、どうなんや。ちゃんと、自分の気持ちと向き合わなあかんで」

「バカ、会わないって言っただろ」

目に浮かぶ。

オハナの涙をいっぱいためた顔。

俺のこと誰よりも心配してくれるからな。