ただただ君が好きでした
その日の部室の中の空気は最悪で、着替えるのも辛いので荷物だけ抱えて帰った。
こういう時、思うんだ。
お母さんがいればって。
そんなこと願っても仕方がないんだけど、こういう日は、あの温かさが欲しくなるね。
お母さんがいなくなってから、涙の味を知った。
涙ってこんな味なんだってこと知らなかったよ。
2年前に亡くなったお母さんは、体は弱かったけど心は強い人だった。
こんな時、お母さんなら何て言う?
負けてたまるか!って私の背中を叩いてくれるよね、きっと。
だから、逃げない。
お母さん。
実はね、マナ先輩って呼ぼうと思ったのは、お母さんの名前がマナだったから。
マナ先輩って呼ぶだけで、なんだか胸がほっこりしちゃうね。