ただただ君が好きでした

「ハナ!日野!サーブ練習してみるか」

コートから迫田が叫ぶ。

「はい!!」

迷うことなくダッシュした日野さんに私もついていった。


外周をダラダラと歩いていたみんなは私達よりも30分も遅れてコートに戻ってきた。

日野さんがいなかったら、私も同じことをしていた。

何のための部活だろう。


日野さんの言う通り。
テニスをするために入ったんだから、テニスを頑張ろう。


早く戻ったおかげで、2人だけサーブの練習をさせてもらえた。


日野さんの嬉しそうなキラキラした表情を見ていて、私の考え方が変わった。

テニスをするために、テニス部に入った。

その基本を忘れちゃいけない。


そして、テニス部の中でも私はひとりじゃなかった。

日野さんは、きっといつも私を見ていてくれたんだ。

心の中で、応援してくれていたのかもしれない。


今日は、マナ先輩に嬉しい報告ができる!!




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