ただただ君が好きでした
「俺の腕の見せ所だな」
「そうですよ~!きのこちゃんみたいにしないでくださいよ~」
「前髪パッツンにするんだから、そりゃきのこになるだろ」
「ひぃ~!」
「お前は、顔が大人っぽいんだから、ちょっとバカみたいなくらいの前髪でも大丈夫。それで、何か変わる」
急に真剣な声になったマナ先輩は、目つきも変わって・・・・・・
「切るよ」
私は目を閉じて、耳を澄ませた。
マナ先輩の息遣いが聞こえる。
すぐそこにいるマナ先輩の温もりまで感じる。
パサ――――
目を開けると、床に髪が落ちていた。
顔を上げると、マナ先輩はいたずらっこのように舌を出して笑った。
「結構、いったよ」
「まじですか」
「でも、俺は好きだな」
ドキドキドキドキドキドキドキドキ