ただただ君が好きでした
「ひとりで暮らそうかなってさっき考えてた。でも、結局すげー親に迷惑かけるだけだし、今すぐそんなの無理だよな。でも、せめて、高校卒業するまで待って欲しいな。そんなこと言えないけど」
その言葉を聞いて、ハッとした。
マナ先輩は3年生なんだ。
もう来年の今頃には高校にいないんだ。
「俺達って、無力だよな。親のおかげで生きてるんだけど、親に振り回されてる部分もある。まぁ、オハナの場合は、俺ん家とは違うけど」
「マナ先輩は、お父さんとお母さんが離婚したんですよね。それだけでも辛いのに、今度は再婚かぁ」
マナ先輩は、ふふふと笑った。
「でさ、聞いてくれる?相手の人に娘がいんの。しかも中学3年。その子と俺が一緒に暮らすのかって。その子にとっても俺にとっても、苦痛だよ」
「えっ!そんな年頃の女の子がいるの?」
不謹慎だけど、私は嫉妬してしまった。
ひとつ屋根の下にこんなかっこいいお兄ちゃんがいるとか、絶対好きになるよ。