ただただ君が好きでした
「マナ……せんぱ……」
「部活も辛くて、家も辛くて、オハナつぶれちゃいそうで心配」
大好きな人の腕の中は、ドキドキするのに、心地良くてなんだかお母さんのような温もりを感じた。
「俺は何もできない。でも、誰よりもオハナの気持ちはわかるからさ。辛くなったらいつでも呼べよ」
「マナ先輩…… 先輩も辛いのに、ありがとうございます」
「俺もお前がいてくれると強くなれるから。俺だけじゃないんだなって、そう思える。オハナも頑張ってるから俺もって思えるから」
「マナ先輩も無理しないでください。私も何もできないけど、愚痴ならいくらでも聞きます!」
ふふふと笑って、マナ先輩は私を放して、足を組んだ。
「ありがとな。俺は、家以外に悩みはないから。オハナはまず部活をどうにかしないとな」
「クラスの仲良しの子がテニス部に入ろうかなって言ってるんです。巻き添えになっちゃうかもしれないけど、心強い助っ人です」
「それは嬉しいな!!オハナは自信持てばいい。お前を嫌いになるヤツなんていないから!大丈夫だよ」
マナ先輩は、私が強くなれる言葉をたくさんくれる。
どれも大事で、忘れたくなくて……
これから先の人生でも私を助けてくれる言葉だと思う。
なんだかね、お母さんが言ってくれそうな言葉ばかりなんだよね、マナ先輩の言ってくれることって。
だから、倍嬉しくなる。