ただただ君が好きでした
「迫田のこと、どうやって解決すればいいかな」
「あ、迫田……」
こんなに嬉しいことがあったから、もういいかなって気持ちもあった。
言わないでおこうか迷うけど、やっぱり言わなきゃ。
マナ先輩に、何か悪いことが起こるといけないし。
「何かあった?」
「マナ先輩と付き合ってるのかって聞かれました。だから、もしかしたら嫌がらせされたりするかもしれません。すいません」
眉をひそめたマナ先輩は足を組み直して私を見た。
「俺と一緒にいるとこ見られたのかな。俺今日睨んだしな。元々、俺はアイツに嫌われてるから大丈夫だよ」
はははと軽く笑ってくれたマナ先輩。これが先輩の優しさだ。
私を安心させてくれようとしてる。
「部室で……迫田に抱きしめられたんです」
マナ先輩がどんな反応をするのか想像ができなかった。
「え?」
マナ先輩は体を私の方に向けて真剣な顔で私の肩に手を乗せた。
「それ、マジで言ってる?オハナが迫田に抱きしめられたって?」
「神野と付き合ってんのかって言われて、そんなわけないじゃないですかって言ったんです。部室から早く出たくて逃げようとしたら腕掴まれて」
「アイツ、最低だな。ぶっ殺したい」
マナ先生の表情は今まで見たことがない険しいものだった。
私のために怒ってくれているという喜びもあったけど、それ以上に心配になった。
マナ先輩、本気で怒ってる。