ただただ君が好きでした
「神野とは俺も話してみる。崎山と何かあったのかも聞いてはみるが話すかどうか。崎山、神野とはどういう関係なんだ?誰にも言わないから」
「どういうって…… いろいろ相談に乗ってもらっていて、支えになってくれていて。それだけですけど、お互いに家庭の悩みもあって、本当に大事な人です」
うんうんと頷いた先生は、私の肩に手を乗せた。
「とにかく、今は戻りなさい。それと、しばらくは神野と会わない方がいい」
「どうしてですか」
「神野がどうなるかまだ決まっていない。迫田先生は何発か殴られて、ケガをしたとおっしゃっている」
私は、迫田をにらんだ。
あんなに元気そうにしてるのに、何なの?
これ以上マナ先輩を傷つけないで。
「知っているかもしれないが、神野はこれが初めてじゃない。だから、そういう目で見られてしまう。だから、今回の処分がどうなるか」
神野先輩の留年の原因。
迫田が英語の単位をくれなかったことって言ってたけど、それだけじゃないんだ。
「窃盗と傷害事件だ。それで退学にならなかったのは、珍しい。今回は、難しいかもしれない」
涙が溢れてくる。
私のせいだ。
私のことで迫田に対して怒っていたのは確かだもん。