ただただ君が好きでした
部活中も、迫田とマナ先輩の話題で持ち切りだった。
「サコちゃんと神野先輩ってどういう関係なんだろ。誰かの取り合いじゃない?」
「え~!そんなのイヤだよ」
「サコちゃん、部活来ないよね、きっと」
外周を走りながら、カノン達が話しているのが聞こえた。
新しく入った桃香は、先輩から素振りを教えてもらっている。
私は、日野さんと一緒に走っていた。
「ハナと神野さん、何か関係あるの?」
日野さんは、神野さんと呼んだので、ドキっとした。
「ううん、あの…… ちょっと迫田のことで相談したことがあって」
「3年生なのに、どうしてそんな親しくなったの?」
「なんか、偶然会うことが多くて、話すようになったっていうか」
日野さんは、前を向いたまま私に質問をぶつけた。
「そっか。三角関係が見えてきたね。今回の事件」
「え?」
「神野さんが迫田殴ったの、絶対ハナが関係してる」
日野さんはそう言い切って、スピードを上げた。
「それがバレないようにしなきゃ。迫田とハナが親しいってみんな思ってるから、どこで神野さんとあんたが繋がってるってバレるかもしれない。そうなると、もう……」
「うん、そうだよね。絶対、バレちゃだめだよね」
私とマナ先輩はどうなってしまうんだろう。
マナ先輩と話したい。
その夜、ケータイに電話をかけたけど、出てくれなかった。
3年の先輩から聞いた話。
授業を抜けだしていたマナ先輩に注意をした迫田が突然殴られたって。
4時間目始まってすぐのことだったと。
信じない。
突然殴るなんてしない。
でも…… マナ先輩が昨日、『迫田ぶっ殺したい』と言ったことと、今日担任から聞いた
『窃盗と傷害事件』ということが頭から離れない。
私は本当のマナ先輩を知らないの?
そんなこと、ない。
私の隣で笑ってくれたマナ先輩が本当のマナ先輩だ。
私は信じる。
あの優しい手も、目も、全部信じる。
「サコちゃんと神野先輩ってどういう関係なんだろ。誰かの取り合いじゃない?」
「え~!そんなのイヤだよ」
「サコちゃん、部活来ないよね、きっと」
外周を走りながら、カノン達が話しているのが聞こえた。
新しく入った桃香は、先輩から素振りを教えてもらっている。
私は、日野さんと一緒に走っていた。
「ハナと神野さん、何か関係あるの?」
日野さんは、神野さんと呼んだので、ドキっとした。
「ううん、あの…… ちょっと迫田のことで相談したことがあって」
「3年生なのに、どうしてそんな親しくなったの?」
「なんか、偶然会うことが多くて、話すようになったっていうか」
日野さんは、前を向いたまま私に質問をぶつけた。
「そっか。三角関係が見えてきたね。今回の事件」
「え?」
「神野さんが迫田殴ったの、絶対ハナが関係してる」
日野さんはそう言い切って、スピードを上げた。
「それがバレないようにしなきゃ。迫田とハナが親しいってみんな思ってるから、どこで神野さんとあんたが繋がってるってバレるかもしれない。そうなると、もう……」
「うん、そうだよね。絶対、バレちゃだめだよね」
私とマナ先輩はどうなってしまうんだろう。
マナ先輩と話したい。
その夜、ケータイに電話をかけたけど、出てくれなかった。
3年の先輩から聞いた話。
授業を抜けだしていたマナ先輩に注意をした迫田が突然殴られたって。
4時間目始まってすぐのことだったと。
信じない。
突然殴るなんてしない。
でも…… マナ先輩が昨日、『迫田ぶっ殺したい』と言ったことと、今日担任から聞いた
『窃盗と傷害事件』ということが頭から離れない。
私は本当のマナ先輩を知らないの?
そんなこと、ない。
私の隣で笑ってくれたマナ先輩が本当のマナ先輩だ。
私は信じる。
あの優しい手も、目も、全部信じる。