意地悪なあいつと同居生活♡

朝食を終えると、私たちはすぐに学校に行く仕度をした。




「裕也、早く行くよ!」

「うっせーな。わかってるっつーの。」

「じゃあ早くしなさいよ!」



もたもた仕度をしている裕也に私が大声をあげる。









私たちの家から学校までそんなに距離はなく、約20分程度で着いた。


上履きに履き替えていると、親友の新條友梨(しんじょうゆり)に会った。



「おっはよー心愛!今日も夫婦で登校してきたのね♪」

「もぉ〜違うってば!」



友梨はいつも私と裕也を夫婦扱いする。しかし、それは友梨だけではない。ほぼ、クラス全員がなぜか私と裕也を夫婦扱いするのだ。







なんであんな奴と夫婦扱いされなきゃいけないのよ!




キッと裕也を睨み付けると、目が合った。




「ん?なんだよ。」

「い、いや別に…。」






さっと目を逸らすと、友梨がニヤニヤと私の顔をじっと見る。





「ねぇ、付き合わないの?」

「えっ⁉︎な、なんで⁉︎」






唐突な質問に驚き、声が裏返る。






「だって、あんた絶対裕也君のこと好きでしょ?」

「そ、そそそんな訳ないじゃん!」




本当に違うはずなのに、なぜか噛みまくってしまった。顔もなんだか熱い。




そうよ。裕也のことが好きだなんてあり得ない。






この時の私はそう思っていた。






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