僕ら同じ空の下。【短編】
中学3年生。
その年は先生は私の担当から外れた。
同じフロアにいるのに先生が急に遠く感じた。
でも廊下ですれ違う時が私の楽しみだった。
たった一言。
「こんにちわ!」
「こんにちわー」
これだけの言葉のやりとりだったけど
挨拶できた1日はとても幸せだった。
放課後勉強会は出来なかったけど
休日、勉強を教えてくれていた。
先生は私達生徒には
仕事とプライベートを分けていた。
だから以前はプライベートなことを聞くと
必ずスルーか上手く交わされていた。
でも、その頃から先生は少しずつ
“先生”とは違う“先生”を見せて
くれるようになった。
「癒し系が好きだ」とか
「賑やかなやつは苦手だ」とか
ほんとに些細なこと。
それでも私はまた1つ先生がしれた気がして
すごく嬉しかった。