僕ら同じ空の下。【短編】
卒業式。
先生を見れるのも今日が最後。
だから目に焼き付けておいた。
でも涙で視界がぼやけてあんまり見えなかった。
よく見ると先生も泣いていた。
先生の目から1粒、涙が落ちた。
退場する時一瞬だけ先生の方を見た。
涙目で切ない顔をしてた。
耐えられないくらい胸がキューってなって
切ない気持ちになった。
退場した後、卒業生は
グラウンドで最後の別れをした。
写真を撮る人、思い出を語る人、
泣いてる人。
私は決めていることがあった。
“先生とツーショット撮って、手紙を渡す”
一歩一歩、先生に近づいていく。
これが先生と話すの最後なんだなぁと思うと涙が溢れた。
でも、笑顔で別れると決めた。
「先生?」
私が声をかけると少しびっくりした目で
私を見つめる。
「卒業おめでとう。」
先生は笑顔でそう言ってくれた。
「えへへ」
私は照れて笑うことしか出来なかった。
そして、先生にお願いをする。
「お願いがあるんです。
ツーショット、撮らせてくださいっ!」
私はこの瞬間、人生で一番勇気を振り絞ったと思う。
先生は笑って頷いてくれた。
〝カシャッ〟
私の写真フォルダーに宝物が加わった。