僕ら同じ空の下。【短編】
数日後。
私は用事があって中学校に行った。
職員室に行くと先生がいた。
「遅くなったけど志望校合格おめでとう」
優しく微笑む先生。
久しぶりに会えて話せた反動で
何も言えず、頷くしか出来なかった。
「手紙書いてくれたから先生も手紙書いた」
そう言って先生は胸ポケットから
白い便箋を取り出した。
「ほんとに?ありがとうございます!」
寂しかった気持ちが一気に満たされた気がした。
私の気持ちを知っている先生。
それでも先生は前と変わらず優しかった。
気まずさなんて全然感じなかった。
それどころか安心した。
先生は他の先生に呼ばれてしまった。
もうタイムリミット。
「じゃあ、私帰ります。
手紙ありがとうございました!」
「気をつけて帰れよ」
最後の会話。
切なくて苦しくて。
でも先生からの手紙の内容が楽しみだった。