幽霊くんに恋しました。
ニヤニヤと笑う彼はとても楽しそうだ。
私が想い込んでいた幽霊はもう少し歳のとった人だと思い込んでいたからなんだか 変な気がする。
「なんだよー。怖がってんのか?」
私の顔のスレスレまで幽霊の顔が近づいてきた。
怖がっている以前に目の前に幽霊いるのにこんなにも冷静に頭の回転が出来ているのだから褒めて欲しいくらいだ。
でも この人と一緒に生活するのは 嫌だ。
「私 出ていこうかな。」
「え?!ちょっとまって!引っ越して来て早々出てくの?!」
「だって 貴方と生活するのやだもん。」
幽霊っていくら見えても 少し透けてると思ってたけど こんなにガッツリ見えるとは思ってなかった。
それにしても 何故 同じ制服を来ているのだろうか。
「ねえ。」
「ん?」
「なんで 同じ制服を来ているの?」
「俺 高校で死んだからさ。君と同じ 【鳳高等学校】でねー。まぁ ずいぶん昔だけど。」
昔ということは 歳をとらないで今日まで生きていたということか。
「あ、話戻るけどさ。出てかないでね。」
「え?!なんで!」
「俺 寂しいから。」
急に上目遣いをした。
なんなんだこの幽霊は
私のペースを乱される。
「やだよ! なんで!私は一人暮らししたいのに!知らない幽霊と 住みたくないし!」
「いいじゃん!きっと楽しいって!」
幽霊は私の裾をグイグイと引っ張ってくる。
それに対抗して私も幽霊の裾を掴んだ。
はたから見たらただの幼稚園児のじゃれ合いにしか見えないだろう。
「わかった!わかった!住むから!だから話してー!」
「お。」
「うわっ!」
いきなり手を話すものだから私は床に尻餅をついた。
「ちょっと!いきなり 離さないでよ!」
「ごめんごめん」