やっぱり俺のお気に入り
「お前ら、頑張ってるな!!この調子なら金賞とれるかもしれないぞ!!」



外に出ると、そこには未来のクラスの担任の青山がいた。



「おぉ!青先じゃん!」



「先生どしたの??」



何人かの生徒に囲まれた青山はニコニコしている。



「もう最後の練習は終わったのか??みんな、頑張ってんだから少しは担任として差し入れを・・・と思ったんだがちょっと遅かったか・・・仕事を早めに切り上げて来たんだが・・・」



そう言って、右手に持っていた袋をブラブラさせた。



「わぁ~♪ドーナツじゃん~!」



「みんなで食べてくれよ。お?平岡、お前も食べろよ」



青山は周りの生徒の輪から抜け出し、未来のそばにやって来た。



「あ、はい。ありがとうございます」



未来はお礼を言うとドーナツを一つ受け取った。



「雨宮も食えよ!」



「いえ、俺はB組じゃないんで・・・・・」



「いいから、遠慮すんな。雨宮がいてくれただけで女子どもは喜ぶだろう?そのおかげで練習もはかどったと思うぞ。な!平岡ぁ~!」



学校で見る青山よりはるかに親しみやすい笑顔がそこにはあった。



俺は差し出されたドーナツを受け取りながら何故か未来を見る青山の視線が気になっていた。



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