やっぱり俺のお気に入り
「どうした??俺、意味分かんねぇんだけど・・・・・」



俺はその女の顔を覗き込むようにして言った。



すると、女は視線を一瞬だけ俺に向けた後、



ゆっくりとつぶやくように小さな声を出した。



「・・・朝・・手紙・・入ってませんでしたか?・・・・えっと・・下駄箱です」



朝?・・・手紙?・・・下駄箱?



俺の頭の中で回る三つの言葉・・・・・。



そしてつながる記憶。



「あ~!!あったよ。うん。そっかぁ、もしかして、その手紙をくれた子?」



B組平岡未来・・・・・って書いてあったよな。



「はい。そうです」



読むつもりなんかなくて、



鞄の中でクシャクシャになっている手紙。



「朝時間なくて読む時間なくてさぁ・・・ゴメン、まだ読んでないんだ」



「・・・いいんです。多分・・・いいえ、絶対・・・読んでなんかもらえないこと分かってましたから・・・」

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