やっぱり俺のお気に入り
「未来~!」



その日の帰り、俺はいつものように未来を呼んだ。



文化発表会も無事終わってほっとした顔の未来が教室から出てくる。



「お疲れ!!今日は一緒に帰れんの?・・・ってか元に戻ってんじゃん・・・」



やって来た未来はメガネをかけ、真面目な着こなしの制服に身を包むいつもの未来だった。



「は?あ、あれ??さっきのは無理やり・・・そうした方がいいって言われて・・・あんなの恥ずかしいもん。スカートだって短いと落ち着かないし・・・あたしはこの方がいいの!!」



「え~!!俺はさっきの方が・・・・・可愛かったじゃん」



「うわぁ~。龍斗、ひどっ~」



ちょっと残念な気がするけど、こっちの方が安心か。



さっきみたいな未来だと男が寄ってきそうじゃん?



青山のこともあるし。



まっ、いっか。



未来は未来だし。



俺もこっちの未来のほうが落ち着く。



「帰ろう。龍斗」



「おぅ~!行こうぜ」
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