やっぱり俺のお気に入り
「雨宮、お前はちょっと残れ」



音楽の授業が終わり、教室へ戻ろうとした俺を呼び止める奴。



「こっちに来い。話がある」



ホントは顔を見るのもウザイ奴の声。



「何ですか？先生」



「いいから、話があるって言ってんだろう？すぐ終わるから来いって」



そう言って音楽室でグランドピアノに向かって座っていた青山は俺を呼んだ。



他の奴らがいなくなり、音楽室には俺と青山の二人だけ。



静まり返った教室。



ふと、小さな青山のため息が聞こえた。



そして俺の方に近寄り、話し始めた。



「こんなガキ相手に言いたくないが、俺は本気だからな。この前言った事、あれ冗談とかじゃないからさ。俺にとって平岡は特別なんだ。もうずっと前からな・・・理由は話し出すと長くなる。とにかくお前は早く他の女に乗り換えろ！悪いことは言わない。それが一番だ。なっ！お前ならいくらでもそういう女がいるだろ？？」



「言ってる意味が分かりません。とても先生としての発言とは思えませんが・・・」



「ああ、そうだな。先生としてではなく、一人の男として言ってるんだ」



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