やっぱり俺のお気に入り
『一人の男』として??



低く落ち着いた青山の声になぜか無性に腹が立った。



俺から見れば青山は『大人の男』だ。



青山から見たら俺は青山の言葉どおり、『ただのガキ』



そんなこと分かってる。



だから何だっていうんだよ。



黒髪にダークグレーのニットのセーター。



優しげでいて時々遠くを見つめるような瞳。



どこから見ても落ち着いた大人の雰囲気の青山。



でも、俺を見るその青山の目は真剣そのものだった。



「もう一度言うぞ・・・平岡未来に手を出すな。お前みたいなチャラチャラした男なんか、あいつには合わないんだ。これは忠告みたいなものだ。もちろん平岡のためを思って言ってるが、間接的にはお前のためでもある」



「先生の言ってる意味・・・マジ分かんねぇし、俺は未来と別れるつもりはないから・・・」



「そうか・・・残念だな。せっかく言ってやったのに・・・。まぁ、いい。いずれイヤでも俺が今言ったことの意味が分かるからな」
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