やっぱり俺のお気に入り
未来のお母さんはすっかり上機嫌で茶碗にご飯をよそった。



「ありがとうございます」



俺はまた笑顔でそれを受け取り、未来の横の椅子に座った。



まぁ、俺の中での最上級の笑顔ってやつ。



青山は面白くないのか黙々と食べ始めていた。



未来のお母さんはとにかくよくしゃべる人。



未来は時々頷きながら話を聞いている。



俺は次々色々と質問されたり、話をしながら忙しく食事をした。



食事も終わりに近づき、未来は片付けを始め席を離れた時、



未来のお母さんが俺に向かって、



「雨宮君にはちゃんと言っておこうと思うんだけどね、未来には尚吾君とぜひ結婚を・・・と考えていたの。まぁ、それは私の勝手な願いでね。でもこうして未来と雨宮君を見ていると、それはやっぱり間違っていたって強く思えたわ」



と、さっきまでとは違った真剣な眼差しで言った。



「お、お母さん!!何、言ってるんですか?僕は未来と結婚を・・・と考えていますよ」



青山が慌てたように未来のお母さんの言葉をさえぎる。



「いいのよ。尚吾君、無理しなくても・・・尚吾君には彼女がいるんじゃないの。ねっ!!尚吾君にだって自由がある。付き合う相手や結婚相手はやっぱり自分で選ぶものよ。もちろん未来にだってね・・・」











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