やっぱり俺のお気に入り
「青山先生がね・・・・・」



未来が聞きたくない名前を口にした。



「はぁ??青山??」



またあいつか・・・・・。



「青山先生がね・・・この前・・・突然、どうしてもあたしと付き合いたいって言い出したの・・・龍斗と別れろって・・・あたし、びっくりしたけど、青山先生は先生としか見れないし・・・龍斗以外考えられないからすぐに断ったんだよ・・・今まで通り、お母さんとあたしと青山先生で過ごす時間が一番いいし、恋愛感情はないって・・・・・」



「そんなの当たり前だろ!」



「うん・・・でも青山先生はそれでも諦めないって言ってきて、龍斗と付き合ってたりなんかしたらあたしの成績だって下がるとか、遊ばれて捨てられるだけだとか・・・龍斗はバカだとか冷たい男だとか・・・・・とにかくあたし、そんな青山先生の言葉が悔しくて悔しくて・・・」




青山の奴・・・・・。




「あいつ・・・・・マジ、最低だな・・・」



「あたしのことはいくら言われてもいい。でも龍斗を悪く言ってほしくなくて、許せなくて、それで今回のテスト、あたしと龍斗は自己最高得点を全教科とってみせますから!!なんて、勢いもあってそう宣言しちゃって・・・」



「それで?」



「そしたら青山先生は笑いながら、もしそれが実現しなかったら俺と付き合えって・・・・・約束だからなって・・・・・青山先生の勢いにあたしもそのまま頷くしかなくて・・・・」



未来の震えるような声。



「でもこの約束のことは絶対龍斗に言うなって言われて・・・・・。龍斗って
ただでさえ勉強なんて嫌いでしょ??その龍斗をやる気にさせるには・・・」



未来はずっと俺に話せなくて辛い思いをしてたのか。



「勉強しなかったら別れるって・・・俺を脅すしかないって思ったわけ??」



「うん・・・・・ゴメンね・・・・ホントにゴメンね・・・」


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