やっぱり俺のお気に入り
「で?龍斗、話って何??気になるんだけど・・・」



いつもの公園でベンチに座った俺に未来が言う。



「宗からさ・・・頼まれたんだよ」



「鈴木君に?」



頬がほんのり赤い未来が俺の顔を覗き込む。



「未来さ、歌うの好きだろ?文化発表会での経験って未来にとっては大きかったよな?あんな舞台で全校生徒の前で歌ったんだぜ?それってスゴイことだと思うんだよ」



「うん・・・緊張したけど楽しかった。すごくいい経験したなって思ってる」



「その気持ちをさ、活かせるかもしれねぇんだけど・・・活かしてみたいとか思ったりする??」



「・・・ん?どういう意味?」



「宗からの紹介でさ・・・オーディションの話があるんだよ。未来にとって、いい話だと思うんだ。未来にその気があるんなら詳しく話すけど?」



「オーディション??」



未来はまだ意味がよくつかめてないのか、不思議そうな顔で俺を見る。
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