やっぱり俺のお気に入り
季節は冷たい風が少しずつ春を思わせるようになっていた。



「あ~~!もうすぐ3年生かよっ。受験とか面倒くせぇよなぁ」



俺の様子を見て話題を変えた裕輔は、そう言いながら大きく伸びをした。



ここ1,2ヶ月、未来はほとんど学校へ来なくなっていた。



青山も俺を見つけては、



「未来から連絡あったか??」



なんて聞いてくる。



青山もしばらく未来に会ってねぇんだろうな。



会えない未来をテレビ画面で見るのにもだいぶ慣れてきていた。



俺と会う時間も簡単には作れない状況なのも分かってる。



未来は忙しいんだ・・・・・。



慣れない環境の中で頑張っている。



・・・んなこと分かってる。



だけど・・・・・正直こんな展開になるなんてな。



会えない時間が増えてくたびに、



無感情な俺が顔を出す。



俺はそんな毎日の中で、少しずつ元の俺に戻っていくようで不安だった。










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