やっぱり俺のお気に入り
立ち寄った本屋で雑誌がふと目に入る。



表紙には大きく『MIRAI』の文字。



そして笑顔の未来があった。



『今大注目の新人』・・・・・か。



メイクしてキラびやかな衣装を着た未来。



見たこともないような大人びたその笑顔。



もうそれは俺だけに向けられた笑顔じゃねぇ。



分かってる。



「・・・んなんだよっ・・ちくしょう・・・」



もう俺が手を伸ばしてもすぐには未来には届かない。



それが・・・・・現実だってこと。



未来はそれをどう思ってんだよ?



俺だけがこんなに会いたいって思ってるのか??



知りたい・・・・・。



知ってからもう一度冷静にならなきゃいけねぇ気がした。



だから俺は携帯を取り出し、未来へかけることにしたんだ。
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